医療業界の注目話題

今後の医療業界について

大手医薬品卸(医薬品卸売業)の新しい取り組み!

医療費圧迫問題、医者不足問題、製薬会社の接待規制、コンプライアンス(ディオバン等)、医療用医薬品の販売情報提供活動ガイドライン施行、地域包括ケア、地域フォーミュラリー、薬価制度・・・。

医療業界はこの10年でかなり変わりました。

特にコンプライアンスに関して強化された印象があります。当たり前と言えば当たり前ですが。
しかし、無法地帯にしていた厚生労働省にも責任があると思います。

環境の変化と共に、製薬会社や医薬品卸売業も体制を変え、アプローチを変え、試行錯誤しています。

本日は、医薬品卸売業の「新たな取り組み」という事でまとめました。

大手医薬品卸(医薬品卸売業)の状況

株式会社メディパルホールディングス

設立:1923年
資本金:223億98百万円

MSの特色:ARが現在2000人以上いる。
ARとは、MR認定資格を保有しているMSの総称。

アルフレッサホールディングス株式会社

設立:2003年
資本金:184億54百万円

MSの特色:医療経営士有資格者数が累計1,153名となり、アルフレッサグループ全体の MS 数の約1/3 になります。

東邦ホールディングス株式会社 東邦薬品株式会社

設立:2008年
資本金:3億円

MSの特色:医薬品関連以外で業務効率化と患者満足度向上につながる顧客支援システムの開発・販売、開業支援、コンサルティングサービスなど、あらゆる医療環境の支援をしています。

医薬品卸売業の新たな取り組み

株式会社メディパルホールディングス

RFIDタグを用いた実証実験を開始

RFIDタグを用いた高精度な温度管理医薬品トレーサビリティの実証実験を開始します。
RFIDとはRadio Frequency Identificationの略で、RFIDタグと呼ばれる媒体に記憶された個別情報を、無線通信によって読み書きをおこなう自動認識システムになります。
このシステムを利用すると、医薬品の管理が外来患者さんへの投薬直前および、入院患者さんのベッドサイドまで状況を追跡することが可能となります。
今後、このシステムの有用性を評価しプラットフォームサービスとして提供開始していくことも視野に入れています。

アルフレッサホールディングス株式会社 アルフレッサ株式会社

ヤマト運輸株式会社との研究会発足

ルフレッサの医薬品流通ネットワークと、ヤマト運輸の宅急便ネットワークを融合させ、今後の医療提供体制への対応や労働力不足等の社会問題への対応を検討する研究会になります。新たな流通ネットワークの構築を目指しています。

3社合同でのプラットフォーム構築検討

ルフレッサ株式会社とPHC株式会社と富士通エフ・アイ・ピー株式会社による特殊医薬品の流通管理のための新たなプラットフォーム構築検討をしていきます。各企業の得意分野であるRFIDクラウド等のIoT技術を活用し新たなプラットフォームを構築していきます。

華潤医薬商業集団有限公司との包括的な戦略的業務提携

華潤医薬商業集団有限公司は、中国の複合企業グループである「華潤有限公司(本社:中華人民共和国香港特別行政区)」の医薬部門に属する大手企業です。医薬品等の卸売販売、物流配送およびサプライチェーン関連サービスを提供しています。
2017年の売上高は中国第2位の医薬品卸売企業になります。両社のネットワーク・ノウハウ・経営資源を活かすことで様々な可能性を感じます。

東邦ホールディングス株式会社

顧客支援システムの共同利用

東邦ホールディングス株式会社が展開している顧客支援システム(オリジナル)を今後株式会社スズケンが導入します。

後発医薬品の流通における共同展開

株式会社スズケン東邦ホールディングス後発医薬品事業を共同で行う合弁会社「TSファーマ」を折半出資で設立。東邦ホールディングス株式会社子会社 共創未来ファーマとスズケン子会社 株式会社 三和化学研究所を通じて展開していきます。

このタイミングで、東邦ホールディングス株式会社と株式会社スズケンが急接近してきています。業界では3番手・4番手の企業ですが、相乗効果に今後期待できます。

まとめ

  • 企業単独の勝負の限界。
  • 得意分野が違う企業と新しいビジネスモデルを模索。
  • 国内医薬品市場の限界。