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手足口病は大人も感染する

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手足口病といえば「子供が感染する疾患」というイメージがあるかと思います。しかし、大人も感染してしまいます。そして、実は子供よりも大人の方が、症状が重くなるのが「大人の手足口病」の特徴です。

 

手足口病の病態

手足口病は、ウイルスの感染によって起こる感染症です。特に、口の中や、手のひら、足の裏などに水疱性の発疹が出ます。3割程度は発熱が伴うとも言われています。90%近くが5歳以下の乳幼児ですが、大人で発症した場合は、子供より重症化しやすいという報告があります。補足情報ですが、「手足口病」同様に「プール熱」「ヘルパンギーナ」も同時期に流行します。この「手足口病」「プール熱」「ヘルパンギーナ」は夏の三大風邪とも言われています。

特に今年はかなり多いという報告が国立感染症研究所から発表されています。

www.niid.go.jp

手足口病の原因となるウイルスは?

コクサッキーウイルスA6、A16、エンテロウイルス71がメインです。 

感染ルート

3つのルートにより感染します。①飛沫感染:咳・くしゃみ等、②接触感染:ウイルスの付着した手で触れる、③糞口感染:便などの排泄物の中に含まれているウイルスが口に入る

 

手足口病の症状

感染してから3~5日後に、口の中、手のひら、足底や足背などに2~3mmの水疱性発疹が出ます。発疹の痛みは大人の方が強く出ます。また、インフルエンザ様症状もあり、全身倦怠感・寒気・関節痛・筋肉痛などの症状、嘔吐、下痢、手足の痺れなどの症状が「大人の手足口病」の特徴です。

 

発症シーズン

6月から8月にかけて流行します。ピークは7月下旬と言われています。

 

手足口病の治療法

手足口病に特効薬はなく、特別な治療方法はありません。熱を下げたり、発疹の痛みを抑えたりする解熱鎮痛剤による対処療法が中心になります。また、特に大人での発症は、睡眠不足や疲労などによる抵抗力低下が原因になるケースが多いため、体力の回復が大切になります。栄養と睡眠を十分に取ることが大切になります。規則正しい生活を心がけましょう。

*写真:1歳小児  発症してから10日後の写真

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手足口病の合併症

髄膜炎・小脳失調症・脳炎といった中枢系神経の合併症や、心筋炎・神経原性肺水腫・急性弛緩性麻痺などを起こすケースもあります。高熱が続いたり、長期間体調がよくないときは早めに医療機関に受診してください。また、手洗い、うがいは念入りにした方が良いです。

 

感染予防法

 

①こまめに手洗い・うがいなどをする。

②子供の排泄物を処理する時は注意する。

③飛沫感染を予防するためマスクを使用する。

④身の回りを清潔に保つことを心がける。

 

まとめ

・手足口病は大人でも発症する。

・大人の感染は、子供より重症化する可能性がある。

・根治する治療法はないので、規則正しい生活を心がけましょう。

・身の回りを清潔に保つことが大切である。