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なぜ医薬品の小児適応が遅いのか

先日、海外で仕事をしている友人と
久しぶりに話しました。

当時、友人は、製薬会社でMRをやっていました。

現在は、貧困の国に行き、恵まれない子供たちに勉強やスポーツなどを教えています。

そこで、話した内容は、

「どこの国も同じだよ。」
「大人は、結局、子供のことを考えていない」

こんな話をしたあと電話を切りましたが
頭の中には、寂しさしか残らなかったです。

確かに・・・。

今日は、医薬品と小児適応についてお話をします。
疑問に思っていたことを調べました。

●なぜ発売になった新薬は小児適応がないのか?
(※すべての医薬品のことではありません。)

海外と日本では、開発の流れが違うみたいです。

欧米では、新規の成人用の適応症に係る製造販売承認を取得した場合には、当該適応症に関して小児に対する開発が法律により義務づけられ、小児の適切な薬物治療のためのエビデンス構築が進んでいます。
一方、日本においては、小児医薬品の開発が法的に義務づけられていないことから、新薬にかかる小児適用のエビデンス構築が遅れる傾向にあります。

※国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)臨床研究・治験推進研究事業の記事から引用

日本は、海外との法律の違いがあるみたいです。
2010年4月から5年間で承認された医薬品629品目のうち、小児適応がある医薬品は約30%の190品目しかありません。

錠剤やカプセル剤で開発された医薬品は、剤型変更が必要になります。
小児は錠剤、カプセル剤では服用できません。

余計、開発費用がかかるみたいです。

また、治験の問題もあります。
小児適応になると治験対象患者が集まらないという問題が起きます。
国内のみで厳しいなら海外とより連携をとるしかないと思います。

このような背景(ほんの一部のみ記載)を考えると
小児対象より成人対象の方が、製薬会社は動きやすいのでしょう。

「未来のある子供たちに、
早く薬を届けることができる環境を作る」

これが一番大切だと感じます。